開業2年半の温泉施設が、省人化を選んだ理由
静岡県下田市の温泉施設が、宿泊と日帰り受付の負担を見直した導入事例。
- 省人化:受付業務の負担軽減
- 24時間:チェックイン対応
- 無人化:鍵管理と本人確認を仕組み化

導入の概要
| お客様 | 横川温泉株式会社様 |
|---|---|
| インタビューにご協力いただいた方 | 遠藤 様(女将) |
| 取材地 | 横川温泉株式会社(静岡県下田市) |
| 導入製品 | スマートチェックイン KIOSK |
静岡県下田市。開業から2年半の温泉施設「湯殿ととのゆ」。
宿泊のお客様を迎えながら、地元に愛される
日帰り温泉も併設する施設だ。
だが、その2つを同時に支える女将の手は、いつもいっぱいだった。
「省人化は、おもてなしを冷たくするのでは」
― 開業から2年半の施設が、その問いにどう答えを出したのか。
横川温泉株式会社・女将の遠藤様にお話を伺った。
開業2年半の施設と、最初の"困りごと"
賑わいの裏で、女将はある"事務作業の山"と向き合っていた。
静岡県下田市に、開業から2年半の温泉施設「湯殿ととのゆ」がある。宿泊のお客様を迎えながら、地元に親しまれる日帰り温泉も併設する、2つの顔を持つ施設だ。
開業から運営を重ねるなかで、女将はずっと"人の手で支えるやり方"を続けてきた。だが、それがいつしか限界に近づいていた。

インタビュアー
本日はお忙しい中ありがとうございます。まず、横川温泉について教えてください。
遠藤 様
こちらこそ。うちは静岡県下田市で、開業から2年半の温泉施設を運営しています。
「湯殿ととのゆ」という名前で、宿泊のお客様にも、地元の日帰り温泉のお客様にも来ていただいています。
インタビュアー
開業から2年半なんですね。
遠藤 様
おかげさまで。ただ、長く続けてきたぶん、"昔ながらのやり方"が体に染みついていて。
インタビュアー
昔ながら、というと?
遠藤 様
受付も、台帳づけも、精算も、ぜんぶ手作業。私が一つひとつ、手で回してきました。
それで長年やってこられたんですが…ある時期から、どうにも回らなくなってきたんです。
開業から運営を重ねてきた施設。 でも"手作業"のままでは、もう回らなくなっていた。
― 遠藤 様(女将)
宿泊と日帰り、ふたつの流れに追われて
同じ時間帯に、2つの受付が女将ひとりへ押し寄せる。
問題は、仕事量だけではなかった。「宿泊」と「日帰り」という2つの流れが、同じ時間帯に、女将ひとりのもとへ同時に押し寄せる。
気持ちは、いつも半分に割れていた。

インタビュアー
具体的に、どんな場面が大変でしたか?
遠藤 様
いちばんは、チェックインの時間です。
宿泊のお客様がフロントに並んでいるのに、同じタイミングで日帰り温泉のお客様も受付に来られる。
インタビュアー
宿泊と日帰りが、同時に。
遠藤 様
そうなんです。宿泊のお客様と、日帰り温泉のお客様。両方の対応に追われていました。
片方をお待たせすれば、もう片方が気になる。気持ちが、いつも半分に割れているようで。
インタビュアー
お一人で両方を…。
遠藤 様
人を増やすか、いっそ機械に任せるか…とも考えました。でも、そう簡単には踏み切れなくて。
インタビュアー
その理由は、次でお聞きします。
「宿泊のお客様と、日帰り温泉のお客様。 両方の対応に追われていました」
― 遠藤 様(女将)
諦めかけた、女将の限界と"後継"の影
事務に追われ、いちばん大事なものに手が回らない。
長く宿を支えてきた女将の体には、限界が近づいていた。そしてその先には、"次の世代"へどう引き継ぐかという、もうひとつの重い問いが控えていた。

インタビュアー
先ほど「回らなくなってきた」と。体力的にも、ですか。
遠藤 様
正直に言えば、そうです。朝から晩まで動き続けるのが、年々こたえるようになって。
受付、台帳づけ、精算、電話対応…。事務仕事だけで一日が終わる日もありました。
インタビュアー
本来やりたい、お客様との時間が。
遠藤 様
取れないんです。事務に追われて、いちばん大事な"おもてなし"に手が回らない。
これが、いちばん辛かった。
インタビュアー
後を継ぐ方のことも、頭にありましたか。
遠藤 様
ありました。この働き方のままでは、「継ぎたい」と思ってもらえる宿にならない。
この施設を、私たちの代で終わらせるわけにはいかない――と。
一時は、半ば諦めかけていました。「もう、こういう働き方を続けるしかないのかな」と。
諦めかけた、女将の限界と"後継"の影は、現場の運営を見直す大きなきっかけになりました。
― 遠藤 様(女将)
AdvaNceDとの出会いと、最後まで残った迷い
期待と、ためらい。施設運営を担う女将を、最後まで悩ませたもの。
転機は、ふとした情報との出会いだった。だが、すぐに飛びついたわけではない。 "おもてなしの宿"の女将には、最後まで拭えない迷いがあった。

インタビュアー
そんな中で、AdvaNceDのことはどう知ったんですか?
遠藤 様
きっかけは、同じ宿泊業の知り合いの話でした。「受付を機械に任せられるらしい」と。
調べてみたら、デバイスエージェンシーさんの「スマートチェックイン」を見つけて。
インタビュアー
第一印象は?
遠藤 様
「これがあれば、受付の事務を任せられるかもしれない」と期待しました。
でも同時に、ずっと引っかかっていたことがあって。
インタビュアー
引っかかっていたこと、というと。
遠藤 様
省人化すると、お客様との接点が薄れてしまうのでは、と悩みました。
インタビュアー
そこは、最後まで。
遠藤 様
ええ。うちは"おもてなしの宿"ですから。受付を機械にして、お客様を冷たく扱うようになったら本末転倒だと。
インタビュアー
その迷いは、どう解けたんですか?
遠藤 様
担当の方が、こう言ってくれたんです。「機械に任せるのは"事務"だけ。お客様と接する時間は、むしろ増やせます」と。
その一言で、すっと腑に落ちました。
「省人化すると、お客様との接点が 薄れてしまうのでは、と悩みました」
― 遠藤 様(女将)
KIOSKが、受付を引き受けた日
女将は、フロントの"後ろ"に立てるようになった。
導入されたのは、フロント脇に置かれた一台の縦型KIOSK。お客様は自分の手で受付を進め、女将はその一歩後ろから、お客様を迎えられるようになった。

インタビュアー
実際に導入されたのは、どんな仕組みですか?
遠藤 様
縦置きのKIOSK端末を、受付に一台。お客様がご自分でチェックインを進められます。
インタビュアー
お客様は戸惑いませんでしたか。
遠藤 様
画面の案内に沿って進むだけなので、すんなり。海外のお客様も、画面が多言語対応なので母国語で進められます。
インタビュアー
女将の動きは、どう変わりましたか。
遠藤 様
いちばん大きいのは、私が"受付の事務"から解放されたこと。
予約の照合も、台帳づくりも、精算も、予約システムとの連携でほとんど自動になりました。
インタビュアー
手作業が、減った。
遠藤 様
減ったどころじゃありません。受付の作業量が、体感で3分の1になりました。
そのぶん、私はフロントを離れて、お客様に「ようこそ」と声をかけに行ける。お見送りもできる。
インタビュアー
機械化したのに、接客は増えた。
遠藤 様
そうなんです。そこがいちばん、嬉しい誤算でした。
受付の作業量が、3分の1に。 空いた手で、お客様に「ようこそ」と言いに行ける。
― 遠藤 様(女将)
接客と効率は、両立できた
効果は、女将ひとりの負担減だけにとどまらなかった。
効果は、女将ひとりの負担減にとどまらなかった。施設の"経営"そのものに、静かな変化が訪れていた。

インタビュアー
経営の面では、どんな変化が?
遠藤 様
まず、宿泊と日帰り、両方のお客様を同時にお迎えしても、もう慌てなくなりました。
KIOSKが受付を引き受けてくれるので、ピークが重なっても回るんです。
インタビュアー
人を増やさずに。
遠藤 様
はい。専任の受付を新しく雇わなくても、今の体制で両方をさばける。人件費をかけずに、お客様を待たせない。
インタビュアー
後継の話も、先ほど。
遠藤 様
「この働き方なら継げる」と思ってもらえる宿に、少し近づけた気がします。
何より、事務はシステムに任せて、私はおもてなしに集中できるようになりました。
これまで積み重ねてきた"心づかい"は手放さずに、やり方だけを今の時代に合わせられた。
インタビュアー
接客と、効率の両立。
遠藤 様
そう言っていただけると。私たちが出した、一つの答えです。
「事務はシステムに任せて、 私はおもてなしに集中できるようになりました」
― 遠藤 様(女将)
お客様も、スタッフも、表情が変わった
"省人化"のその先に生まれた、現場の余白。
導入から時を経て。お客様、そして共に働くスタッフは、この変化をどう受け止めているのか。 遠藤様が語る、現場の"いま"。

インタビュアー
お客様からの反応はいかがですか。
遠藤 様
「待たされなくなった」という声をよくいただきます。特に日帰りのお客様は、サッと入れるのを喜んでくださって。
海外のお客様からも、「自分の言葉で受付できて安心した」と。
インタビュアー
スタッフの方は。
遠藤 様
表情が変わりました。事務に追われてピリピリすることが減って、お客様に笑顔を向ける余裕ができた。
インタビュアー
これからやってみたいことは?
遠藤 様
空いた時間で、地元の食材を使ったお食事や、温泉の楽しみ方のご提案など、"うちにしかないおもてなし"をもっと磨きたいですね。
機械に任せられることは任せて、人にしかできないことに時間を使う。それが理想です。
お客様も、スタッフも、 表情が変わったは、現場の運営を見直す大きなきっかけになりました。
― 遠藤 様(女将)
同じ悩みを持つ、宿の方へ
「省人化は、おもてなしを冷たくする」と思っている方へ。
取材も終盤。かつての自分と同じ悩みを抱える、全国の宿の経営者へ。 横川温泉株式会社の女将は、まっすぐにこう語った。

インタビュアー
最後に、同じように悩んでいる宿の方へ、メッセージをお願いします。
遠藤 様
もし昔の私のように「省人化は、おもてなしを冷たくする」と思っている方がいたら、伝えたいです。
逆でした。事務を手放したぶん、おもてなしは"濃く"なりました。
インタビュアー
それは、説得力があります。
遠藤 様
特に、宿泊と日帰り温泉の両方をやっている施設、運営体制に悩む宿泊施設には、きっと力になります。
インタビュアー
守りたい接客のために、新しい仕組みを。
遠藤 様
はい。守りたい接客があるからこそ、変えるべきところは変える。
開業から2年半の施設が選んだ答えが、どこかの誰かの背中を押せたら嬉しいです。
インタビュアー
ありがとうございました。
遠藤 様
こちらこそ。ぜひ、湯にも浸かっていってくださいね。
事務を手放したぶん、 おもてなしは"濃く"なりました。
― 遠藤 様(女将)
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